綿矢りさの最新作。表題作を含む中編2作が収録されています。
女性作家で新作追っかけているのは、今や綿矢さんぐらいになってしまいましたが、女性作家の視点を味わうと、「うお…」と思わされることがしばしば。女性の同性・異性を見る目って男と違うんだなぁとつくづく。
2作とも、文学的深みというのはあまり感じられませんが、読みやすくて面白い、そして、女性心理の描写が巧みな作品になっています。百貨店のアパレル担当、学校の女性グループの描写…。男から見ると、ひょえええとも思う世界であります。
文章もかつての勢いが出てきた感じで、結構いいんじゃないでしょうか。
表題作は彼氏の部屋に彼氏の元カノが居候してしまった主人公のいら立ちが描かれます。
起承転結の「転」の部分は主人公とともに青筋をピキピキ立てるようなむかつきが起こり、最後の大爆発がスカッとします。かわいそうって言葉、自分はあんまし使いませんが、なんかもうタイトルからして内容が絶妙ですなあ。
もう一つの作品「亜美ちゃんは美人」は主人公「さかきちゃん」と同級生「亜美ちゃん」のおはなし。
さかきちゃんは美人だが、それ以上に亜美ちゃんがとても美人かつ男を引き付ける態度をとるため、いつも引き立て役に回ってしまう。という、まるで寓話の様なおはなし。
文系学部やら共学高校やらで多感な時期を過ごした人間なら、亜美ちゃんみたいな娘、思い浮かぶのではないでしょうか。
かわいいとみんなに言われていた娘が、「何であんな男と」というタイプと付き合ったり、いきなりヤンキー化してしまう現象の理由を説明されたような気になりました。しかもそういう娘の計算された天然のようなキャラ付けを見事に亜美ちゃんというキャラクタで具現しているのが凄い。まあそれ以上に亜美ちゃんの彼氏がウザキャラかつDQNで面白くてダメンズという、すごい存在感を放っております。その対照的な存在として「亜美研」の小池君という存在もいるのですが、彼の存在も秀逸でしたな(個人的には『蹴りたい背中』の「にな川」が大人になったらこんな感じなのもって思いました)。
ただ、こんな女視点の毒満載の小説書いて許されるのも「りさちゃんは美人」だからなのかもしれ…なくもない?

















