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カウンターは2006/12/1より設置

Zくん(from デイリーポータルZ)

 
献血と名古屋グランパスが好きな図書館司書の日々(誤変換多数)。
シアター!/有川浩
有川 浩
アスキー・メディアワークス
¥ 641
(2009-12-16)

昨年暮れに出た有川作品です。「メディアワークス文庫」の立ち上げラインナップの一つ。電撃とは違う「大人向けラノベレーベル」を目指すんでしょうか。
で、この作品を有川作品最新作、って書こうと思ったら「キケン」が出てた。相変わらず筆が早い作家さんだなあ。

さて、この作品は劇団が舞台。
劇団を運営する金がなくて困っている弟に、金を貸して管理する兄が出した条件は「3年以内に劇団運営で300万の貸した金を返せ」というもの。この作品では、その条件が出されてから最初の舞台が終わるまでしか話が進んでませんので、続編がきっとあるんでしょうねー。劇団メンバーの全員が舞台に立っているわけでもない。俳優なのに今回は裏方って人がいるからなあ。
で、相変わらずキャラがたっている。大きな流れを作っておいて後はキャラクターを動かして語らせる、ってのは有川作品らしいですねえ。ツンデレ兄、ダメ弟を中心に気丈な看板女優と内面に色々ある新人女優、とかとか。他のキャラはまた今後書かれていくのでしょう。恋模様も含めて、ね。

あと舞台づくりの現場と裏方の話って視点が面白い。舞台をやるためならメンバーが「チケットノルマ」という名目で持ち出しで資金調達するって辺りは確かに当然のことではありますが、周囲から見れば不思議に見えるんでしょうね(こういうことは大学時代に経験した)。

しっかしどの作品読んでも思いますが、有川さんは「楽しいお話」を書くことに血道をあげてますねー。文章はリズム重視で、「国語」の文法的にはいかがなものかというところもありますが、その辺はラノベである!と割り切ってかいてるのでしょう。
あと、取材をしたならばもっと色々かけるのでしょうが、それを全て「楽しいお話」に注げるところが有川さんの強みでしょうねえ。
読んでて思ったのは「シアターフラッグ」≒「有川浩作品」って事ですよ。途中の「シアターフラッグ評」とか「演劇界」のことを書いている部分では、こちとら読者を楽しませるために「ライトなノベル」「読んでスカッとしたりキュンとする話」を狙って描いてるんだから「深みがない」とか「軽い」とか「現実味がない」とか「会話がマンガチック」とか「キャラクターが型にはまっている」とか言われる筋合いは無い!ていうか言うな!面白さは正義だ!ってのが行間から二重写しで伝わってくること伝わってくること。
でも個人的には、有川さんてライトなノベルと、一般的な「小説」の橋渡し役になれる作家さんだと思ってる(小説のジャンル間の橋渡しになれる作家さんって少ないと思う)ので、その辺頑張ってほしいんだけど、無理かねえ。

でもって従来のラノベ作家にも「もっと取材してディテール出してからキャラ動かせ」って思いながら作品書いているような気がするのは気のせいかな…いわゆる「普通のラノベ」なんてずっと読んでないから、どうだろう。

| 読書 | 00:01 | comments(0) | trackbacks(3) |
ファンタジーサッカーが休止…

…滅茶苦茶ショックだ。

グランパスの試合以外もフルに楽しむために必須だったのに。コレでJリーグを何倍も面白く見ることができたのに。
水曜から土曜午前まで編成でああでもないこうでもないと悩み、土曜午後から日曜夜までは試合結果と内容に喜んだり悲しんだり、何度も何度も携帯で試合速報をチェックしたり。火曜の夜にはボーナスfp来てないか何度もチェックしたりする、あの日々は帰ってこないのか。

とはいえ、初年度から参加して楽しんだ身としては、無料でここまで楽しませてくれたYahooに文句をいう気はあまりない。感謝こそすれ。ホント楽しかったんだよなあ。
個人的には大学時代の友人も巻き込んで10人くらいでプライベートリーグもやってたんですよ。社会人になってからそれぞれのペースで遊んで、共通の話題になるツールとしてファンサカって物凄く良かったんですよね。何度かファンサカを肴に飲み会もやったなあ。

振り返ってみると、とりあえず山卓(当時ヴェルディ)を使えばよかった時代があったり、エメルソン1トップ1択時代があったり、アラウージョキャプテン以外の10人を予想するゲームだった時代があったり(ここ数年の遠藤なんてモンじゃなかった)。海外移籍した選手を起用してたら年俸二倍ルールとかあったなぁ、とか、「逆仙台固め・逆横浜FC固め」のセオリーやら…。
思い出がいっぱいですよ。

その中、ブログ開設後で最も思い出深い節はやっぱりコレだな。
2006年30節
トップリーグ残留をかけて勝負したら、壮絶な散りっぷりをみせました。良かった節よりも悪かった節のが記憶に残るものなのですねえ。

休止ということで、再開してくれることを祈っておりますが、J's Goalのオフィシャルコンテンツとして再始動とかいうウルトラCはないものかなぁ…。「J1&J2グランプリ」よりも絶対に人が呼べると思うんだけどねえ。
ホント有料でもいいからやりたいよ。

| サッカー | 21:05 | comments(2) | trackbacks(0) |
面白南極料理人/西村淳

去年観た映画の中でもかなり面白かった「南極料理人」。あの映画には原作(いや原案か)があるということで、ホントにあんなだったのかと思って読んでみることに。
映画では堺雅人が演じてましたが、本物の「南極料理人」西村さんは、髭もじゃのオッサンである。アルカイックスマイルあふれる細面の料理人ではなく、本当は酒が大好きで、かなり豪快な性格のおやじだった。
映画化マジックをマザマザと感じた次第だが、当の西村さんはどう思ったんだろうか気になるぞ。俺が一番おとなしくなってる!とか思ってそう。

文字で情報を読むとまたその環境のすごさに驚かされます。映画版だとドーム基地での生活がかなり牧歌的に描写されてますが、この西村さんはやっぱり「生の声」なだけに極限生活のリアルが感じられます。
映画では「説明長くなるので観て理解してね」って部分がきっちり文字で説明してある。トイレのところとか、野菜の栽培棚とか。あとはドームにいくまでもかなり大変だってのがよおくわかる。
で、映画観てて「これマジか?」と思ったのが意外に本当でだったりしたのが驚き。ホントに「回転テーブルで中華料理」とか「スーツ着てフランス料理のコース」とかやってるんかい。「電話交換人に告白」とかは実話じゃなかったのか、他の隊の人の実話なのだろうか。で、極限ミッションの一つ「燃料入りドラム缶転がし」は映画に入れても面白かったのにとも思ったよ。

しかし、南極越冬隊がワザワザ−50℃、標高3800という極限状況にやってきてすることは「研究」である。一部のメンバーは「研究」が大好きで、そのために南極にきていて、研究家以外のメンバーはそれをサポートする立場ってのがよくわかります。で、男9人の共同生活、必用なのは「面白き事なき日常を面白く」という精神なんだなあと。研究と日々の業務はきまじめに取り組んでもそれ以外はオッサンなのにホント子供みたいです。日々日々厳密に生活するよりも、ある程度は心に余裕を持って、で、トラブルには総員を持って応対するのがチームワークであるということですねー。で、西村さんみたいに「反省しない」生活の方がああいうところでの生活はうまくいくんでしょうねえ。

で、料理ですが。これがまた面白い。元々海上保安庁の料理人が、沸点が違う、冷凍したら使えない食材は持ち込めない、等々の状況において、いろんな食事を提供してます。これが働いた後のモードとお祝いモードとで品ぞろえ絶妙に変えられてて、おいしそうです。でもって南極なのに豪華な食材だったりして、ちょっとうらやましいです。「働かざるモノ食うべからず」であり、「(食って飲んで)笑う角には福きたる」なのだなあ。

| 読書 | 22:23 | comments(0) | trackbacks(0) |
かいじゅうたちのいるところ/スパイク・ジョーンズ監督

自分みたいな職業のばあい、知らないと「え、マジで?」といわれかねない位の超名作絵本が映画になりました。

読んだことある身としては、あの話をどう100分前後の映画にするんだろう?と思いながら映画館に行って観てまいりました。以下ネタバレアリ。

なるほど…。結構翻案してありますねえ。といっても所謂「原作台無し」といった風情ではありませんでしたが、少年が成長する話、という側面が加えられている印象。
で、ここは強調したいんだけど「自由な解釈」ができる辺りが原作そのままである。
なんといっても原作の絵本はクライマックス部分は一切「文字」がないのだ!その演出が見事で、名作絵本としての確固たる地位を築いているのです。
で、映画も映画中で起きていることに対してはあまり説明はありません。見た人それぞれに解釈が可能であると。これは思い切ったことをしたなあ、って思いますよ。映画の「行間」が読めない人には眠たい映画になりかねないし…。
個人的には「箱庭療法」チックな話しだねえ、って印象。そして、無邪気なだけで済んだ子供が社会と折り合いをつける第一歩の経験をした、という感じでしょうか。

原作と比べると、導入部なんかは原作絵本に全く書かれていなかった部分。この辺は背景を描く上で自然でしたね。マックス君のいかにもガキンチョっぽい行動に「ああ、そういえば自分も子供のときこんなだったかもなー」と思ったり。子供そのものが「かいじゅう」なんだねえ。とハッとさせられますよ。
で、「かいじゅうたちのいるところ」へ向かう船の出現するところが映画と原作では決定的に違っていたのですが、アレはどうなんだろうか。原作が有名なのでネタバレ上等で行きますが、原作では戻ってきても時間がたってない事を示唆していますが、映画だとその辺はあまり触れていないですね。この辺は映画の解釈に幅を産むのかね。

で、かいじゅうたちのいるところに行ってからは、かいじゅうたちにそれぞれ人格があるところが原作と違うところね。かいじゅうは全てマックス君の心の中の一部分だけど、今はキャロル的な部分が一番強い、と。で、KW的な部分がこれからは重要さを持つと。あのアウルたちは「社会」とか「知識」の象徴とか言う感じなのかね。勝手な解釈ですけどね。
泥玉無げのシーンは雪合戦のシーンと対比させると色々考えるところがありますねえ…。うん。
そして、島を去るシーンは、切ないねえ。原作版は「飽きたし家も恋しくなってきたからから帰るか」的なこどもの気まぐれ感覚もありましたが、すくないセリフ+雄たけびだけなのに色々と考えさせられるいいシーンです。「食べちゃいたいくらい…」のセリフをあのかいじゅうが言ったのはかなり意外でしたが。

かいじゅうたちの造型、映画版のもふもふしたぬいぐるみっぽさはイイ感じです。あんな感じで折り重なって寝たら大変そうだけど楽しそうだなぁ。

あと、エンドクレジットを最後まで見ると、日本語版の監修者が出てくるのです。そこが一番ニヤっとしてしまったよ。
読んで育った大人は見るべし、です。

| 映画・ライブ・コンサート | 00:03 | comments(0) | trackbacks(0) |
吉祥寺の朝日奈くん/中田永一
中田永一
祥伝社
¥ 1,680
(2009-12-11)

百瀬、こっちを向いて。」に続く中田永一の第二作品集。
中田さんはひねくれた恋愛小説を書かせたら随一。
 5作の中・短編小説が収録されていますが、いずれも恋愛小説、ですがひねくれまくってます。
お話の主人公皆が「自分には魅力がない」と思っていたり「自分は問題のある人間だ」と思ってる、そんな恋愛小説です。
中田さんの正体といわれている、某二画で書ける筆名の作家さんらしさが前作よりも出ている印象でしたねえ。

しかしまあ巧いなあ。読者に舞台をイメージさせるのがホント上手だ。固有名詞や商標の差込み方が素晴らしく、物語にリアリティを与えてますねえ。そして、主人公のテンションは決して上がりきらない。感情に任せるよりも考えるのがすき、そんな感じ。この辺も好印象だなあ。
 
「交換日記はじめました!」は一番テクニカル。乙なんとかさんの叙述トリックが炸裂してるのに、恋愛小説だ。そして、語り手がコロコロ変わって最後に…上手い終わり方だねえ。なんとか一さんの「a masked ball」の恋愛小説かつ更にひねりまくり版!ですね。

「ラクガキをめぐる冒険」5章立ての物語で、最後の5章が最初にある、という。話は一番ひねってないかも。恋愛物語ってよりも学園ミステリっぽい。でも、その原因になった出来事なんかが「死にぞこないの青」を書いた何とか一さんらしい。
 
「三角形はこわさないでおく」乙なんとかさんで書いてる話だったらこういう話はないだろな、って思うくらいかなりストレートな青春物語かつ三角関係モノ。でもこのカンケイの捻くれぶりは流石である。一番ラノベっぽいかもしれない。
 
「うるさいおなか」は自分はお腹をすかせている時に読んだのでたまに主人公とシンクロして大変でした。こういうあり得ないシチュエーションを物語りに持っていく豪腕は「ウソメモリー」やら「話すパンツ」やらを一本の小説にした何とか一さんを彷彿とさせますね。

表題作の「吉祥寺の朝日奈くん」はその名のとおり吉祥寺が舞台。恋愛小説でもありますし、恋愛ミステリ、でもあります。個人的には主人公の朝日奈君が成分献血を趣味にしてるのが好印象すぎる。「けんけつちゃん」の耳のデザインについて書いてある小説なんて初めて読んだ。回数できるから成分献血派、とか、「こんな、僕みたいな、生きていて何の役にも立たないような人間は、献血して人助けするしか、やることがないのです」ということを朝日奈君は言ったり…。自分も一時期そんなことを思っていた。あ、本筋から外れた。ほのぼのした話かと思ったら、最終的には切ない話になります。お見事。
 
好きなのは「交換日記はじめました!」「吉祥寺の朝日奈くん」かな。屈託のあるいろんな人が出てくる話って好きだわー。三作目もいつか出るでしょから、楽しみにしておきます。そろそろ本来の筆名でも書き下ろしなり短編集なり出してほしいものですが。
| 読書 | 22:17 | comments(0) | trackbacks(0) |
老人賭博/松尾スズキ
松尾 スズキ
文藝春秋
¥ 1,400
(2010-01-07)

松尾スズキ久々の小説です。
先日ありました芥川賞にノミネートも受賞に至らず。私はノミネートされた時点で掲載されていた「文學界」を図書館で借り、「自分はノーマークで借りられたけど、返却した時には予約がバリバリ掛かってたりして、ぐふふ」と思ったけど見事に空振りでした。もし「文学賞賭博」があれば負けです。

それはともかく。
老齢を迎えた映画俳優が出てくる、映画撮影現場が舞台のこの話。
三谷幸喜が描けば「ザ・マジックアワー」になり、松尾スズキが描けばこうなるのか、と。
登場人物が全員二癖はありそうな人。で、映画撮影現場といっても華やかな点は全然なく、むしろ側溝の泥も光を反射すればピカピカ黒光りするよね、って感じである。

現場スタッフの賭け、特に松尾スズキ本人がモデルと思しき「海馬」がはじめた「主演の老人俳優がとちった回数に賭ける」というものが、この物語の主題となってきます、この賭けに様々なかたちで関わる現場スタッフの情けなくも真剣な暗躍振りたるや、人間の黒さと小ささ情けなさが…。

色々とにかく、でてくる登場人物が皆ダメなんだが、心からどうしようもないわけではない。そして面白い。クククと笑えてしまうのである。老人にスパイスガールズの「ワナビー」を歌わせたり(是非映像でみてみたい)、脚本で「マチュピチュ」と何度も言わせたり、もうこの辺むちゃくちゃである。でもキチンと成立してるところが上手いよなあ。この作品が「文學界」に載ったという事実だけでも何か笑える。

心ある行動、心無い行動と、善行、悪行ってなんだと思わされるのに、何故か笑える不思議な作品でした。まあ芥川賞取れなかったのもなんとなーく分かるけど…「物語から一歩引いた感」があるんだよね(あえてそうしてるのは重々承知、いわゆるメタ視点ってやつね)。どうしても「作家の心情の奥行き」みたいなのが感じられる作品のほうが芥川賞とりやすいからなあ。

えーとあと、元ネタになったひとが少ししか分からない。多分主要人物は皆モデルがいると踏んでるんだが。海馬は松尾スズキで間違いないとして、いしかわ海は仲村みう?。あとはどうなってるんだろう。

| 読書 | 01:58 | comments(0) | trackbacks(0) |
どうして書くの?―穂村弘対談集/穂村弘
穂村弘さんの対談集です。

対談相手は高橋源一郎、長嶋有、中島たい子、一青窈、竹西寛子、山崎ナオコーラ、川上弘美…。
「文字」で食べてる色んな人たちとの「ことば」と「文章・文学」に関する対談です(一青窈は+歌ですが)。

この対談集は造本も少し面白くて、対談ごとに、相手のイメージに合わせて?扉のフォント、対談本文のフォント、段組まで変えてあります。コレだけでも随分雰囲気が違うものですねえ。

とにかく穂村さんは「世界と言語表現のカンケイ」について深く深く考えていらっしゃいます。
そして「言葉の向こう側にある死」についても。
高橋さん、長嶋さんといった男性との対談のほうが気持ちの距離が近めだとは思いますが、基本的にスタンスはぶれていない、そこは凄いですねえ。ホント「言葉」に対して真摯に取り組んでいるんだなあと。その割にエッセイは脱力系ですが。そこのあたりのギャップに女性読者は母性本能をくすぐられるのか?私は男なのでよく分からんが。

現代文学で卒論書いた身としては高橋源一郎との対談がもう歯ごたえがガシッとしてました。
竹西さんとの対談は、歌人である穂村さんが「短歌」を題材に話しているのに、最も異種格闘技のような対談になっているのが興味深いですねえ。
他の対談も面白く読めます。意外と一青さんとの対談が面白い。言葉の提示のしかたについてスポンジの例えなんか秀逸です。あとは川上弘美さんにたしなめられている感じもよかったなあ。

全編通じての印象としては、やぱり「文学」や「言葉」が社会に対して持つ力って変容してるのかなー、と思うわけです。言葉は世界に相対するためのもの、ではなくて、今となってはコミュニケートに特化した用いられ方をしていると。言葉の重み、というかパンチ力ってヤツが落ちてるのではないか?と。高橋さんとの対談では「敗戦処理をしている状況」と捉えられていましたが。

これからのデジタルネイティブ・ケータイネイティブの世代の言葉はもっともっとコミュニケーション重視になって、分かる人にだけ分かればいいジャーゴンに満ち満ちていくのだろうかねえ。今でも「ゎたしゎ」とか「メシウマ!」の間の断絶とかどう扱えばイイのやら…。
それらの言葉が文学になる時あるのだろうか、それはどんな感じのものなんだろう。って思ったり。
| 読書 | 01:17 | comments(0) | trackbacks(1) |
正午派/佐藤正午
佐藤 正午
小学館
¥ 1,995
(2009-11-25)

昨年「身の上話」にて、2009年私的「もっと評価すべき作品大賞」に輝いた佐藤正午さん。直木賞ノミネートされないとかアホかと思った。ごく個人的には(まあ作者側が「今更いらない」と出版社側に言っている可能性も否定できないけども)。
永遠の1/2にてデビューして、四半世紀、ということで、コンプリートワークリストを収録した年譜と、単行本に収録されなかった原稿を集めて本になりました。その名も「正午派」。自分は(年譜も使って数えてみたら)13冊程度しか読んでいないし、年期は入ってないけども「正午派」ですので、買いましたよ、読みましたよ。小学館の担当編集さんは出版社の垣根を越え、散逸しそうな文章をせっせせっせと集めたお仕事GJです!っていうか、作者が頼んでないのに、そんな文章を集めて本にしたくなる編集者がでてくるくらいなのですよ、佐藤正午さんという作家さんって…。

しっかしまあ!くー!相変わらず文章がうまい!
お酒と女と競輪が好きな独身オッサンといって差し支えないのに、何でこんなに文章が巧みなのだ!そして(いい意味で)ヒネているのだ!微妙にワルなのだ。でも粗暴とかそういうワルでないのだ(伊坂幸太郎作品の「ワル」的な感じ、これもあまり的をえていない形容だけど)。
各時代の扉に書き下ろしの単文が添えてあるのが、それも憎々しいまでに巧いのだ。

ただ、この巧い文章は何度も何度も書き直して、無駄な部分はそぎ落としての結果であることは間違いないところでしょう。それでこそ職業作家であると。その辺の矜持は表に出さないけど、他の作家の人一倍ありそう。

収録されているのは、新聞などに書いた短文であったり、映画版「Y」(結局撮影されてない)の脚本であったり、書き下ろしの小説(なんとカバー裏、内容は「アンダーリポート」のアナザーストーリーだ)だったりである。
ファンアイテムなのは否定しようはない。でも何かのきっかけで読んでみて「正午派」になる人がいたら、うれしい。と「正午派」の端くれはみんな読みながら思うんじゃないのかしらん。
| 読書 | 00:23 | comments(0) | trackbacks(0) |
ドーン/平野啓一郎
平野 啓一郎
講談社
¥ 1,890
(2009-07-10)

平野啓一郎の最新作。
月蝕でデビューした平野さんも、それから色々と書いていくうちに恋愛小説やサスペンスなんかも書くようになりました。で、今回はSFです。純文上がりでSFをどう描くのか興味がありましたので、読んでみることにしました。
なるほど。近未来SFでもあり、近未来政治小説であったりもするわけですね。デビュー当初の「難解」という形容はどこへやら、「SF」というくくりの中で考えればかなりのリーダビリティですね(ハードなSFは純文学より読むのが難しかったりするのだ)。
時は2030年代、有人による火星探査を終えた佐野明日人(英語発音だとセイノ・アストー)。彼が地球に戻ってからの心の内と、迫りくるアメリカ大統領選挙とが絡み合う、という筋立て。
この物語のもう一つのテーマは「人間の『個人』と『分人』」ということ。「個人」を形作る「人格」も相手によって様々に変化します。たとえば友達の前と上司の前だったり、趣味の集まりでも全くジャンルが違ったり、大勢の前と一人の前だったりでは、立ち振る舞いが異なる、ってことありますよね。この概念がデジタル化され、「散影」というシステム上で他人も追いかけることができるのがこの物語の「分人」というもの。このあたりはSFと純文の融合としておもしろく読めますねー。

「自分に嘘をついて生きている」と悩んだり、「自分が他人のためになれる」と思い決意する自分と、そう思って行動する自分、は繋がっているけど同一ではないと…ただ、それらが集まって「個人」なんですよねえ。このブログを描いている私も「ブログ用」の分人であったりするわけですよ、ええ。
物語の引き金になる問題は火星調査船という限られた人間と限られた空間しかない空間で浮き彫りとなりそして発生し、地上に帰ってきてから弾けます。そして、この火星調査が政治の道具として用いられていた、と。いうことでその辺がリンクしてきて「アメリカ」という国家について語られる大統領選挙のパートもなるほど!と読めますねえ。平野さんは民主党支持だというのはよくわかります。

個人的にはクルーの中で数人作中であまり掘り下げられなかった人がいるのが残念。もうちょっと掘り下げたらもっとおもしろくなったように思うのだけども。
肝心の火星での調査はどんなモノだったのかはほとんどふれられていないのは、この物語の大事な部分ではないから、別にかまいませんけれども…。

図書館員が主人公らしい「決壊」もいつか読まねばなあ(同業者としてはその人物造形には全力でつっこみたくなるとか、ならないとか…そんな噂が)。
| 読書 | 00:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
元日の敗者 天皇杯決勝・G大阪戦
監督・コーチ陣も挨拶に
国立から自宅に帰ってきました。ここ最近ゴール裏で喉を枯らすことがなかったんですが、久々に喉がガラガラです。

うーん、うーん。悔しいなあ。ホント悔しい。国立まで行って負けるのはホント悔しい。
途中まではゲームプラン通りに試合が進んで…いたわけでもないけど(ポカーンっと先制されたし、チーム戦術の肝であるのパス砲台、阿部が怪我もあって持ち味消されていたからね)、ガンバに対してゲームの主導権は握っていた。…後半の途中までは。

個人的には、小川out・ブルゾinの交代がチームの歯車をおかしくさせたように思う。この辺から拾えていたセカンドボールがぜんぜん拾えなくなってしまったし、小川は前半はともかく後半途中まではいい飛び出しで相手の左サイドをえぐっていただけに…守備意識の低いブルゾが入ったおかげで、相手の中盤が楽になったように思います。ま、結果論だけどね。
そこからは遠藤に好き放題されちゃいましたね…。はあ。2〜4点目全部に絡まれてしまった。2点目はゴール前を右から左へドリブル、ターンしてミドルって、金沢でやられたのと全く同じような流れだったよなあ…。3点目より後は前目に行った結果だから…。今日が最後の試合になったCBの二人には4点取られてオランダに行く、4点取られてセルビアに帰るのってのはどうなのよと言いたいが、まあ遠藤を誉めるしかないな、こちらも前がかりに行かざるを得なかったんだし。遠藤マンマークをしないのは監督の方針だしなー…。

本当に悔しいけど、準優勝、元日に国立で闘えたという結果は誉められはすれ、けなすものではない。ただ、タイトルを穫る事ができなかった事、ACLへの道が閉ざされたのはホントに残念だ。強いチームとしてそれなりに形はできたけど、タイトルを穫れるチームになるには、まだ成長すべき部分があった…2009シーズンはそんなシーズンだったように思います。

で…2010のグランパスですが、こうなったら今年のナビスコやリーグ戦で頂点を目指さなくてはならないね。でもCBどうすんの?ダニルソンよりも緊急補強すべき部分だと思うんだけどなー。現状それなりのレベルのCBは増川・闘莉王・竹内の3人だ。けがの多い増川・闘莉王のことを考えると、もう一人二人計算できるCBがいて、層が厚い方がいいと思うのだけど。新人の新井、若手の佐藤・磯村(松尾もかね、あと巻もか?)あたりに期待する方が健全な考えだってのは分かっているんだけどもね。

是非、今年は1年間ガッチリ筋の通ったチームを作っていただきたいと思います。2009はその辺ちょっと、でしたからね。
ただ、今年のシーズンスタジアムに行く頻度は仕事次第では09年と同程度かそれ以下になるかもしれません…。
| グランパス | 00:41 | comments(2) | trackbacks(0) |