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最近読んだ本(覚えてるだけ)

メモ程度です。

D.カーネギー「人を動かす」 さすがの名著。ただそれができたら苦労しねえよ。とも思う。
S.ミルグラム「服従の心理」 この本は怖い。権威って怖い。
古川日出男「ドッグマザー」 相変わらずの古川節。読み始めてしばらくして「ゴッドマザー」の続編と知る。
浅野素女「フランス父親事情」 将来のためのお勉強。
タラ・パーカー=ポープ「夫婦ゲンカで男はなぜ黙るのか」 円滑な毎日のために。
いしいしんじ「ある一日」 その日のための予習。
テリー・ビッスン「平ら山を越えて」 奇想コレクションフルコンプ目指す。
フリッツ・ライバー「跳躍者の時空」 同上。
野尻抱介「南極圏のピアピア動画」 主役は某初音さんとニコ動ですが、白山町が舞台の話がある。さすが津市在住。
上原隆「心が折れそうになったとき」 上原さんの本はこれからも読んでいくだろう。

他にあったかな…。
もう一本一本記事を書く気持ちの余裕と時間がありません。

| 読書 | 23:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
かわいそうだね?/綿矢りさ
綿矢 りさ
文藝春秋
¥ 1,365
(2011-10-28)

綿矢りさの最新作。表題作を含む中編2作が収録されています。

女性作家で新作追っかけているのは、今や綿矢さんぐらいになってしまいましたが、女性作家の視点を味わうと、「うお…」と思わされることがしばしば。女性の同性・異性を見る目って男と違うんだなぁとつくづく。
2作とも、文学的深みというのはあまり感じられませんが、読みやすくて面白い、そして、女性心理の描写が巧みな作品になっています。百貨店のアパレル担当、学校の女性グループの描写…。男から見ると、ひょえええとも思う世界であります。
文章もかつての勢いが出てきた感じで、結構いいんじゃないでしょうか。

表題作は彼氏の部屋に彼氏の元カノが居候してしまった主人公のいら立ちが描かれます。
起承転結の「転」の部分は主人公とともに青筋をピキピキ立てるようなむかつきが起こり、最後の大爆発がスカッとします。かわいそうって言葉、自分はあんまし使いませんが、なんかもうタイトルからして内容が絶妙ですなあ。

もう一つの作品「亜美ちゃんは美人」は主人公「さかきちゃん」と同級生「亜美ちゃん」のおはなし。
さかきちゃんは美人だが、それ以上に亜美ちゃんがとても美人かつ男を引き付ける態度をとるため、いつも引き立て役に回ってしまう。という、まるで寓話の様なおはなし。
文系学部やら共学高校やらで多感な時期を過ごした人間なら、亜美ちゃんみたいな娘、思い浮かぶのではないでしょうか。
かわいいとみんなに言われていた娘が、「何であんな男と」というタイプと付き合ったり、いきなりヤンキー化してしまう現象の理由を説明されたような気になりました。しかもそういう娘の計算された天然のようなキャラ付けを見事に亜美ちゃんというキャラクタで具現しているのが凄い。まあそれ以上に亜美ちゃんの彼氏がウザキャラかつDQNで面白くてダメンズという、すごい存在感を放っております。その対照的な存在として「亜美研」の小池君という存在もいるのですが、彼の存在も秀逸でしたな(個人的には『蹴りたい背中』の「にな川」が大人になったらこんな感じなのもって思いました)。

ただ、こんな女視点の毒満載の小説書いて許されるのも「りさちゃんは美人」だからなのかもしれ…なくもない?

| 読書 | 01:15 | comments(0) | trackbacks(2) |
愛の続き/イアン・マキューアン

マキューアンの過去作品のめぼしいところもこの作品で読み切ってしまった。あとは新作を待つか、1983年に出たけど絶版になってる初期作品「ベッドのなかで」を何らかの形で読むしかないですね。

で、こちらの「愛の続き」。
主人公の科学ライターが、とある事件をきっかけに、事件の場に居合わせた男の愛の対象となってしまうというもの。愛といっても、ちょっと狂信的な愛なのである。狂気を孕んだストーカーに監視される主人公の日々の歪みと、パートナーとの関係もおかしくなってく様が淡々とした筆致で語られていきます。

読み終えると、さすがマキューアン、という感想しか出てこない。やっぱり小説家としてめちゃくちゃうまい。細かいエピソードとか心の動きとか、ホント文章なのに「手に取るよう」という形容がとても似合う。ストーリの次についている付録っていう文章が、またうまいんだよなあ。本編を読み終えたときに感じた感情が色々揺らいだり固まったりするんですよねえ。

そして今回の作品は怖い。ホントにこういうこと、ありそうだって思えてしまう。
有名人がtwitterでストーキングされてるのを見たりするとなおさら。たとえばhttp://togetter.com/li/249626 とかhttp://togetter.com/li/261366 ね(これはこれでノンフィクションサイコホラーでヤバイんですが)。
マキューアンは実例をもとに小説を組み立てているんですなあ、ただこの物語を読み終えると、読者は「愛」って何だと思わされるんですねえ。
人を深く愛するってことは、スタートは正直冷静な精神状態ではないですよね、言い換えればパッションが無くては出てこないものです。ただ、純粋といえば純粋ではあるんですよね。で、相手との相互理解や、お互いの愛がぶつかって、完成するのが普通なんです。男女の愛にせよ、家族の愛にせよ、ね。
ただそれが覚めずにずっと続いてしまった場合、相手のリアクションがないのにずっとパッションが自己完結で増えていった場合は、その愛に救いはあるのか、その先はあるのか、という疑問が生じてしまうのですねえ、いうなれば、生身の人間が、生身の人間の崇拝の対象になってしまった場合、どうなってしまうのか?そうなる可能性は、どこにでもあるのではないか?と。

知識と気品と人の心のあやをすべて込めてくる、マキューアンの新作、次はいつになるんだろうか。個人的には村上春樹よりもノーベル文学賞を取ってほしい作家さんになっています。

| 読書 | 22:07 | comments(0) | trackbacks(0) |
SOSの猿/伊坂幸太郎
伊坂 幸太郎
中央公論新社
¥ 1,575
(2009-11-26)

伊坂幸太郎の「ゴールデンスランバー」以降の作品です。

やはり「ゴールデンスランバー」より前と後では作風が変わったなあ、という印象を受けますねえ。
村上春樹における「アンダーグラウンドの前後のような、そういう感じでしょうか。
かつては伊坂さんの主戦場は小説雑誌でしたが、今は新聞小説と文芸誌にシフトしています。「群像」で連載小説持つくらいなんですから、書いている小説も変容していて当然ですよね。過去の作品のファンの方としては残念なのかもしれませんが、作家としては正しい在り方だと思いますけどね。

というわけで、この「SOSの猿」もミステリ要素は薄めで、「社会と人」について意識的に描いている印象を受けました。登場人物の言葉や、一部の登場人物の造形、結末の雰囲気なんかは、従来の伊坂作品っぽいんですけど(救急車の下りとか個人的には大好きです)、初期の作品が好きな人としたら、引用が「西遊記」だけでは食い足りないんでしょうし、作品間リンクも少ないですしねえ。個人的には読後に表紙と内容があんまりフィットしていない印象を受けましたが。
二つの物語が交互に語られ、どういう形で接点を持つのかが中盤の終わりに語られる。第3の登場人物の視点が終盤の入り口を示し、最後に主人公の視点で終わる、という形。…って完全にネタバレだな。

人が悪事を行う原因は、暴力をふるう原因はいったいどこに?そこに正しい/悪いの烙印を付けるのは誰なのか?とか、人間一人のできることの限界とか、夢ってなんだろうとか、まあ色々と考えてしまうところはありました。好き嫌い別れそうな作品ですが、個人的にはかなり好きな作品です。「モダンタイムス」とかよりも作品としての試みがうまくいっているように思いました。

| 読書 | 13:30 | comments(0) | trackbacks(0) |
なずな/堀江敏幸
堀江 敏幸
集英社
¥ 1,890
(2011-05-02)

去年の「本の雑誌」年間ベストになっていたのと、内容に興味をもったのとで、久々に堀江敏幸作品を読んでみることに(ずいぶん昔に「雪沼とその周辺」を読んだ)。

図書館で借りたので2週間以内で読み終えるという縛りがあったのですが…。
2週間で読み終えるのがもったいない作品でした。できることであれば、1日1章ずつ、1か月くらいかけてゆっくりと読むのが合っている本だと思います。それだけ、作中の空気もゆったりとしていますので。

そんなわけで、しみじみと丁寧に描かれた小説です。大きな事件は起きない、舞台は狭い、主人公はおじさんと、これでもかと設定が地味ですが、その地味さがイイのだ。派手なことは起きなくとも、日々のでき事が丁寧に描かれて、そこに対する様々な発見がしっかり描かれていたらそれでいいのですよ。まさに「文芸」であります。

ストーリーは、40代の地方小新聞の記者(独身・独り住まい)が、事情により生後数か月の赤ん坊の育児を任せられることなり、そこで変化する日常を描く、といったもの。
まあ、ストーリーはともかく、この物語の肝要は、題名になっている赤ん坊の「なずな」との育児シーンにあるでしょう。日々「更新されていく」存在である赤ん坊。周囲の空気を一変させ、その世界の中心になる赤ん坊。その空気の描き方が素晴らしいのですよ。
日常をここまで淡々としつつ、丁寧に描ける堀江さんの筆力は素晴らしいです。終盤、主人公の菱山の気持ちがひしひしとわかりましたもんねえ。そのあとやってくる結末は結末でしみじみしていて、いいなあと思いましたが。
育児は「孤独」とか「不自由」と言われたりしますが、菱山のように周囲の人に助けられたり、温かい目で見守ってもらえることが何よりの助けになるかもしれませんねえ。

とはいえ、現実はそんなに甘くないのかもしれないけどもしれませんが。
大変でありつつもそれ以上の喜びがあるのが育児なのだろう、と思います(まだ今は育児経験がないので何ともいえないのですが)。
| 読書 | 01:50 | comments(0) | trackbacks(0) |
砂漠/伊坂幸太郎
伊坂 幸太郎
実業之日本社
---
(2005-12-10)

伊坂幸太郎の未読作品をぼちぼち減らしております。

ということで、今回は「砂漠」。前回読んだ「あるキング」とは違って、ファンが伊坂さんに求めてるのはどっちかっていえばこういう作品だろーなーという感じ。
軽妙洒脱な会話、センスフルな引用群といった伊坂小説の特徴が満載です。

どこか俯瞰的にものを見る主人公北村。
クールビューティ・東堂。
小規模な超能力者・南。
熱くて暑い・西嶋。
いきおいとおちゃらけ・鳥井。
主人公の恋人・鳩麦。

東西南北と鳥が苗字に入っている登場人物達である。でもって、作中ではよく麻雀を打っております。麻雀のルールが分かるのとわからないのでは楽しみ方が違うのかな。私は大学時代によく麻雀を打ってましたので(とっても弱くてカモ扱いでしたが)、少々突っ込みどころもありつつも楽しく読めましたよ!
「言い訳を考えるゲームだ」という作中の鳥井のセリフは全くその通りですねえ。言い訳しまくってましたわ・・・。

でもって、春夏秋冬の四本立ての連作仕立てになってます(季節牌ってことなのか?)。
春夏秋冬でいろいろ事件が起こるわけですが、冬でいろいろと締めくくられれ、最後の春がエピローグ。この終わり方が他の作品ではあまり見られないすがすがしさがあります。
あと、冬の途中まで読んでみて「ああ、春夏秋冬ってそういうことでもあるのね」ということが分かります。この辺うまいなあ。となると、鳥井は勉学でもすさまじい努力をしたんだな、とか、そういえば途中で受けてた講義が一般教養じゃなかったな、とかそういったことがもわかって来たりする。

にしても、伊坂さんは西嶋という人物を描きたいからこの作品を書いたように思ってしまうんだが、いかがなものでしょうか。逆にこの小説に西嶋がいなかったら、フツーの大学生活小説でしかなかったようにも思うくらいですからねえ。

あと、他の伊坂作品みたく映像化されてもまったくおかしくないんだけども…映画よりも連ドラのが向いてるように思いますが。

| 読書 | 00:59 | comments(0) | trackbacks(0) |
あるキング/伊坂幸太郎
伊坂 幸太郎
徳間書店
¥ 1,260
(2009-08-26)

伊坂幸太郎の作品の中ではあまり「ファンのいない」印象を受けるこの作品。
読み始めてみると意外なまでにあっさりと読み終えてしまいました。

読んでみて、「なるほど、確かにファンは多くなさそうだ」と。伊坂作品ファンが求めているものがあまりこの作品にはなさそうだからねえ。他作品とのリンクもないし、センスを感じさせる映画・文芸作品もない(出てくるのは「機動戦士ガンダム」とシェイクスピア)。特に従来読者のうち女性からの受けが悪そうな…。主人公王求のことがに共感も理解も難しい感じですし、女性登場人物に魅力的なひともいないしねえ。とにかく全体的に気持ち悪いというか不穏なトーンが漂っております。

個人的には好きですよ。いいじゃないですか、こういう寓話で悲劇で伝記かつ、シェイクスピアのオマージュって中々読めないですよ。予定調和ばかりじゃつまんないですし。
キングスのことについては、いつぞや負けまくったけど黒字だった仙台の某球団のことを揶揄してるのかと思ったけど、そういうわけでもなさそうですね。むしろ…ゲフゲフ。

| 読書 | 21:12 | comments(0) | trackbacks(0) |
ブンデスの星、ふたたび/井上尚登

ホペイロ坂上シリーズ3作目にして最終作。

JFL・J2ときてJ1編。坂上さんの所属するビッグカイト相模原は残留争いするチームとして描かれ、相変わらず、ピッチ外で起こった不思議を解決する連作短編となっております。

全2作以上に「別にこれJリーグ舞台じゃなくてええやん」という話は多くなっているような気がしなくもないですが、まあ登場人物のキャラが立ってきたということの裏返しなのかもなぁ(個人的には慈社長がイイですね。ああいう社長よこせとリアルで思っているサポは多いんじゃないかな)。
それぞれのエピソードはネタバレになりかねないのであまり踏み込めない…。

物語としても大団円。きれいな終わり方を見せて終わりました。こういうほのぼのほんわかしている、ピッチ外が中心のサッカー小説ってこのほかにあまり知らないので、完結がちょっと残念です。
殺伐としていない、女性や子どもだけでゴール裏に来れるスタジアムであるから、こういう小説が生まれるのかな。とも思いました。

| 読書 | 20:59 | comments(0) | trackbacks(0) |
くちびるに歌を/中田永一
中田 永一
小学館
¥ 1,575
(2011-11-24)

中田永一の最新作。なんとテーマは合唱。

乙一のデビュー当時からのファンで、合唱をやっている私としては、この組み合わせはたまらなすぎる。でもって、作中で取り上げられている曲はいつぞやのNHKコンクールの課題曲「手紙」である。この曲今練習してるよ…。なんとまあ。どこまでツボを押してくる気だと。
んで、読み始めたら、そのまま最後まで一気読みでした(文章読みやすいし)。
というわけで、冷静な評価は下せません。合唱未経験者の方が読んでどう思うのか、とかまったくわかりませんしねえ。でも版元は本屋大賞狙いなのかな、という気もした(TVCM打ったりする所とかね)。

舞台は長崎の五島(この舞台立てもあざとい…!)。主人公は二人、もともと合唱団員だった女声と、ふとしたきっかけで合唱団員になる男声(合唱やってるとこう書きたくなる)。
相変わらず男の主人公がクラスの隅っこにいそうなところ以外は、内容は超絶な「白乙一」作品で、ファンタジー的要素は皆無(まあ一部やりすぎだろーってシーンもなくはないけどねえ)で、さわやかな青春小説になっています。中田作品はファンタジー成分少な目で地に足ついてますなあ。
合唱やってる身としては、発声練習の「シュー」と音を立てるブレス練習やら、「信長貴富」って単語が普通に出てくるところやら、コンクール当日のタイムスケジュールやらもさることながら、経験者なら「そうだよねー」と思う描写の多いこと多いこと。たとえば「百回のうち九十五回は平凡、四回はだめ、一回は神がかった何かを感じる」とか、合唱やってると実際そんな感じがする。それ以外にも「あーそうだよねー」と思う描写が結構ありますよ。
あとは「合唱ほど男性がいるかどうかで大きく変わる部活なんてない」というのにハッとしましたねえ。ずっと混成だったけど、学校の合唱団で男性が「拒んでいるわけではないが入ってこない」がために女声合唱団となっている団体もそれなりの数ありますからねえ。あと、男声と女声のけんかとかも普通に作中にあるみたいな感じでありそうだ(笑)

ネタバレになるのでいろいろ書きづらいですが、「手紙」の曲に歌われていることをストーリーに織り込んだ構成と、相変わらずの細かい伏線の忍ばせ方がお見事。忍ばせておいた伏線が一気にはじける終盤の展開がずるい。合唱やってた身としては、あのシーンはうんうん、そうなんだ、周囲のみんなも一緒に歌えるんだから合唱っていいんだよと思ったよ。
でもねえ、自由曲の扱いはあれでいいのかなあ。とも思ってしまったよ。もったいない。
個人的にはラピュタみたいな雲から始まる一連の会話がツボでした。かつてはまりまくった「時かけ」の雲も俗にいう「二三雲」なんだよなー。

| 読書 | 21:08 | comments(1) | trackbacks(1) |
困ってるひと/大野更紗
大野 更紗
ポプラ社
¥ 1,470
(2011-06-16)

いろんなところで話題のこの本。私も読んでみました。

うん、評判になるのもよくわかる!これはよい本だ!
ていうか初のノンフィクションによる本屋大賞最終ノミネート&本屋大賞受賞とかそういうのがボンヤリ見えるくらい、っていうかこういう本が本屋大賞取るべきだと思う(…と思ったら、本屋大賞って、小説だけが対象なんだってねえ。もったいない…「キノベス」みたいにすりゃいいのに)。

ビルマの難民についてフィールドワークをしていた大野さんが、謎の難病にかかってから退院するまでの、壮絶な日々がつづられております。ノンフィクションとしてすごいのも確かですが、読み物としてもきちんと起承転結があるのがよくできてます。「転」の展開には何とも言語化しづらい感覚がありました。「すごい」んだけど、どう「すごい」と説明したものやら。

全体を通じてたぶんもっと湿っぽく、切々とつづることはいくらでもできたのだと思うんだけど、まあ文体が明るいのだ。そこがいい。だって、切々としてたら絶対にこんなに話題になってないはずだし、読んでて変な罪悪感を感じない。普通の闘病系ノンフィクションとはその辺一線引いている。たぶん大野さんは読者に「かわいそう」って思われたくないし、そして自分自身を悲劇の主人公にしたりしたくないのだ。その辺もすごいわ。そのあたりはかつて「弱者を援助する」側の人間だった大野さんの感覚があってのことだと思います。まあ、文体が合わない人もたくさんいそうだけどね。作中でいうところの「ムーミンパパ」世代なんかは文体が合わないのでダメ本扱いするでしょう。
あとは実際に「困ってるひと」かなあ、それぞれ立場が違うし、言いたいことがあるでしょうからねえ…。

普通だったら泣き言しかかけないところを、とりあえず「それはそれだから」ということで思いのままに書いてしまう大野さんは、芯の強い人だといちいち、つくづく、読んでて思うし、聡明な人だとも思うわけです。
http://www.1101.com/komatteruhito/
ほぼ日での糸井さんとの対談なんて、糸井さんを食いそうな勢いでいいこと言ってるし。

人と付き合うこと、親と子、友人関係、医者と患者…そのあたりの関係の書き方もそうだし、難病患者と社会との関係の書き方も、なんとまあ、読者にいろいろと考えさせることでしょうか。
とにかくいえることは「生きてるってことは大事なことだなあ」ってことです。あとは、ネット社会じゃなければこの本は生まれてこなかったのかもなあ、なんてことも感じました。「命綱はiPhone」なんて描写が出てくるのですもの。ネット社会になる前は可視化されずに終わったかもしれない。
「ネット・バカ」を読んだ身としては、「ポプラビーチ」で読まずに本で読んだほうがいいと思いますが(笑)。

先に書いた通り、万人にがイイといえるような本ではないけども(先の理由の他には高学歴的なところが鼻につく人もいれば、隔離病棟の描写がどうもという人もいるだろう)、読んだ人がいっぱいいればいるほど、世の中のことをみんな考えるんじゃないかなあ、とか思える、そういう力のある本だと思います。無関心は一番よくないってことです。

| 読書 | 22:28 | comments(0) | trackbacks(0) |